読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

バイト先で要注意人物と恐れられていた、コワモテのおじさんと仲良くなれた話をしたい

スポンサーリンク

数年前、私がコンビニで働いていた時の話です。

初対面

コンビニでめでたく採用され「よし頑張るぞ!」と意気込んでいた、バイトを始めてから数日のある日のこと。

問題の"彼"がやって来たのは。

少し厳ついレザージャケットを着たコワモテな60代くらいの彼は、商品をテーブルに置きました。

私が「いらっしゃいませー」とまだ慣れない単語を口にしながらレジに通し、「○○円です。」と値段を告げた直後、彼は思いがけない行動をとったのです。


なんと彼はお金やポイントカードを軽く投げ渡し、商品を剥ぎ取り、去り際には舌打ちをするというコンボを決めてきました。


思考が追いつかないまま「あ、ありがとうございます…」と言い、「我ながらスムーズに仕事をこなせたと思っていたけれど、何か気に触ることがあったのかも…」と考えましたが、その時はあまり気にしていませんでした。

彼が買っていた商品は甘いスイーツでした。


どうやら常連さんらしい

いつも同じ甘いスイーツを買い、コンボを決めて自転車に乗って去っていくことを繰り返すので、その後すぐに常連さんだと分かりました。

(ちなみに初回は剥ぎ取られて忘れていましたが、すぐに食べるようなのでシールを貼るようにしました。)

バイトに慣れ始めたある日のこと。

いつものように彼が去った後、1つ年上の先輩にコソッと「あの人ちょっと苦手なんですよー」と話すと、彼はここでは要注意人物で以前彼に泣かされた子がいるという話を聞くことができました。

彼が自転車に乗ってやってくる度に、店内が緊張感で包まれているように感じていました。


変化球

いつものように彼がやってきて、レジに持ってきた商品は甘いスイーツではなくでした。(たくさん入っているタイプ)

私はレジに通しながら「袋にお入れしましょうか?」と聞きました、いや聞いてしまいました。

彼は「すぐ食べるからいらねーよ!」とその場で封を開けて飴を取り出し、私の顔をしかめっ面で見つめながら飴を口に入れました。

その後すぐに去っていきましたが、私の彼への苦手意識はより一層高まっていきます。


かなりの常連さん

しばらくして「他の時間帯も働いて欲しい」と言われ、働ける日は色んな時間帯に入るようになりました。

新たに分かったことは、彼は色んな時間帯に来ているということ。

そして驚くべき光景を目の当たりにすることになったのです。


見たことのない顔

他の時間帯に入ることにより、今まで入れ替わりでしか会ったことのなかった小学生のお子さんがいる優しいお母さん(Aさん)と一緒にシフトに入ることがありました。

そこにいつものように彼がやってきましたが、店内が緊張感で包まれることはありませんでした。

なんとAさんと彼が仲良さそうに話しているのです!


スポンサーリンク




私の変化

Aさんはお客さんに笑顔で気軽に話しかけていました。

それはもちろん私や他の店員さんが苦手な彼にも。

そんなAさんを見て、私も彼に話しかけてみようと思い立ちました。

彼に最初に私が何か不快な思いをさせてしまったのかもしれない…という不安もありましたが、Aさん以外の店員さんに対して態度が変わらないので理由は他にあると考え、勇気を出すことができました。


根気強く

それから彼が私のレジにやってくる度に「今日はいい天気ですね。」など軽く声をかけることから始めました。

しかし無視されてしまうので、声をかけることによって不快にさせているかも…という新たな不安も生まれましたが、もう少し頑張ってみることにしました。


魔法の言葉

お声がけを始めてからしばらく経ったある日。

いつものように甘いスイーツを買いに来た彼に「これって美味しいんですか?」と尋ねてみました。(※問いかけのお声がけはこの時が初めてではありません。)

するとなんと彼から「美味しいからいつも買っちゃうんだよ〜」と返事が返って来ました。

驚きのあまり一瞬返事も忘れ、頭が空っぽになっていました。

全く驚きを隠せていないまま「そうなんですか〜今度食べてみますね!」と答え、仕事を終えようとした時、

「ありがとうね。」

と確かに聞こえました。

その後すぐに彼はいつも通り自転車に乗って去っていきました。

この時の気持ちは言葉では言い表せません…


不思議

初めて会話が出来た日を境に、彼から「今日はいい天気だね。」などと声をかけていただいたり、彼の好きな野球の話を聞かせていただくことが増えました。

レジの仕事を終えると必ず「ありがとう。」と言ってくださるようにもなりました。

徐々に他の店員さんへの対応も良くなり、「彼、変わったね。」としばしば話題になることも。

正直しばらくは何故こんなにも彼の態度が変わったのかよく分かりませんでした。

しかし彼が変わったわけではなく、こちらが変わったのだという考えに辿り着きます。


苦手意識を持たない

仲良くなってからも彼に『何故Aさん以外の店員さんにあのような態度をとっていたのか』を聞くことはなかったので真相は分かりませんが、

学生の若いアルバイトが多く、彼のコワモテな見た目に知らないうちに苦手意識が発動していたのでは?と考えました。

そして苦手意識を微塵も感じず接しているAさんが彼と話す姿を何度も見ている内に、苦手意識が薄れていったのだと思います。

人に対して苦手意識を持たない

ことが人間関係においてとても大切だと感じました。

苦手意識は人に伝わりやすい感情です。

見た目などで人を判断せずに、ちゃんとその人を知ろうとする気持ちを嫌がる人はいないと思います。

彼のおかげで、まだまだ世間知らずな私はそれを知ることができました。